適応障害⇒うつ病⇒双極性障害Ⅱ型(躁うつ病)の治療をしていた間(約2年間)に処方された薬とその効果、実際に服薬してみた体感を記載します。
- 概要
- 処方された薬の一覧
- 薬物治療を振り返って思うこと
概要
主治医の診断は、適応障害⇒うつ病⇒双極性障害Ⅱ型(躁うつ病)と変化した経緯があります。治療期間(約2年間)の間に処方された薬名称と、実際に服薬してみた体感を記載します。発病理由は、おおまかにいえばストレス過多だと思います。
以下、服薬と症状の変化について書いていくのでよければ読んでください。
※薬の宣伝でもなんでもありません。備忘録として記載しています。
※全てを一度に処方されているわけではありません。(全11種類)
※あくまで個人の感想であるということをご了承ください。
<うつ病記事まとめはこちら>
処方された薬の一覧
抑肝散加陳皮半夏エキス顆粒(漢方)
気分を落ち着かせる薬 (一日三回毎食前)
うつ初期に処方された薬です。はじめは、適応障害と診断されました。西洋の向精神薬は脳に作用する薬なので、「将来自分の思考に影響がでるのではないか」と怖くなり、飲む決心がつきませんでした。漢方なので、長期間のんで効果がじわじわでてくるというものです。半年以上飲みましたが、感想は、「飲んでいないよりかはいいのかな…?」という感じでした。
ゾルピデム酒石酸塩錠5mg
熟睡できるようにする、寝つきをよくする薬(一日一錠)
夜いろいろと考えて、辛くなり眠れなくなってしまったので、処方してもらいました。飲んで30分くらいしてくると、酔っぱらったような感覚になり、ふらふらしてきます。視界がゆがんできます。
でも、残念ながらこの薬を飲んでも寝れないときもあります。
この、ふらふらしてくる感覚が心地よく安心感があったので、寝る前は飲んでいました。
ただ睡眠薬は、一般的に依存性があるようで、長期期間飲むことはオススメされません。私自身、断薬する際は飲まないことにかなりの不安を感じました。「飲みたい」「飲んでおきたい」という焦りに近いドキドキした気持ちになりましたので、依存性があるのは間違いないと思います。
サインバルタカプセル20mg
意欲低下を改善する、気分を落ち着かせる薬(一日一錠)
発症3か月後くらいから処方されました。
適応障害⇒うつ病と診断されました。この世から消えたい気持ちが増してきたことと、社会復帰のためにはやく治そうと思ったため服薬を決心しました。
サインバルタの薬紹介ページには、
抗うつ剤の投与により、24歳以下の患者で、自殺念慮、自殺企図のリスクが増加するとの報告があるため、本剤の投与にあたっては、リスクとベネフィットを考慮すること
(日本イーライリリー株式会社HPより )
とあるので、主治医の経過観察が必要な薬でもあります。
ご自分の思うことは正直に主治医の先生に伝えて、よく相談なさってくださいね。
副作用がひどく、ずっと悪心(吐き気)に悩まされました。食欲がわきませんでした。食べたくないんです。また、集中力、意欲、性欲の減退がおこりました。これは、悪心により食べれなかったことも理由にあると思います。とにかく体調がすこぶる悪かったです。(でも主治医によれば、一般的には副作用が少ないと言われているらしいですよ。まあ、あくまで一般的なので人によりますね)そして、体重は5kgやせました。
そのほか、音過敏になりました。車の走行音が以前に増して強く感じました。隣を走っているだけなのに、迫りくるように感じ、恐怖を感じました。ドキドキしてきて、パニック状態になることもありました。耳から脳へ、直接針のような鋭利なもので攻撃的に突き刺してくるような感覚でした。そのため、外出する際も車通りの少ない道を通るようにしていました。
副作用はひどかったですが服薬したことによって自分の存在を消したい気持ちが多少和らいだ気がしたので、その点では助かりました。悪心は次第におちついたのですが、たまに変に高いテンションになることがありました。夜中にハイテンションになり、寝室でシャドーボクシングのようなことをしたりしていたので、いつもとは違う様子に同居していた親に気味悪がられました。でも自分の体感としては、「薬のおかげですこしエネルギーが充電されたのかな?」という感じでした。(おそらく躁転初期症状)
今思えば、もうすこし相性のいい薬を探してもよかったかかなとは思います(苦笑)でも当時の私には考える余裕がなく、自殺を実行するか、この薬によって体調は最悪でも生きることを選ぶかの2択でした。(決断にあたっては、私よりも優秀で分け隔てなく友好的だった友人が若くして亡くなったことが影響しました。社会貢献を夢見て精力的に活動していた友人がこの世で実現できなかった分、自分は生きて、すこしでも貢献していける道を選びました。今それができているとは言い難いですが、とりあえず生きて、これから生きた意味をつくっていく道を選びました。 )
ドンペリドン錠
胃腸のはたらきを整える、吐き気や胸やけを和らげる薬(吐き気時、一日二錠まで)
サインバルタ服用開始時に、ものすごく気持ち悪くなったので、処方してもらいました。
ベルソムラ錠20mg
睡眠を持続させる、眠りの質を高める薬(一日一錠)
睡眠薬を同じものを使い続けるのは依存してしまいよくないということから、種類が変わりました。この睡眠薬にはお世話になりました。
エビリファイ3mg
気分をおちつける薬(一日半錠)
私に合わなく、他の薬に変えてもらいました。
バルプロ酸ナトリウム徐放200mg
気分をおだやかにする薬(一日一錠)
1年後に処方されました。このころ、双極性障害Ⅱ型かもしれないと診断されます。
当時はヒステリーチックにキレやすくなっていました。誰かが間違うことが許せなかったし、それを正そうとして、謝るまで理詰めしようとしていました。さすがに自分でも変化に気づいたので主治医の先生に相談しました。操転でしたね。適応障害と診断された当時は憔悴していたためあまり症状がでていませんでしたが、サインバルタによりうつ症状を押し上げてくれるとともに、躁症状を強くさせてしまったんでしょう。
今思い返すと、適応障害診断直前にもイライラしやすかったりお金の使い方が荒くなったり、躁の兆しがあったんだと思います。今だから「躁だったのかな?」となんとなく思うことができますが、当時は自分では気づけませんでした。はじめはうつ病だと思って治療を開始しました。(双極性障害とうつ病では薬が違うので注意が必要なんですよ!)あまり気づきにくいところだけどとても大事なポイントなので、身近な人からみて躁状態があったかをチェックしてもらうのがいいのでしょう。
バルプロ酸ナトリウム服用当時を振り返ると、本当に気持ちに余裕がなかったです。薬による副作用と、いつになっても改善しない症状や、社会に属していないことに対する焦り、職場の上司から受け入れてもらえなかったことに対する怒り、無念さでごちゃごちゃになっていました。それらのうっぷんを晴らしたくてキレやすくなっていたのかもしれません。(人にあたるなんてサイテー)そして服用始めあたりがキレやすいピークだったかなと思います。
薬を入れ始めと断薬それぞれ副作用として悪心がありました。キレやすさは落ち着きました。そして副作用なのか、ただの不摂生なのか、服用期間中10kg太りました。
バルプロ酸ナトリウム自体は、躁を落ち着ける他に、てんかんの薬として処方されることもあるようです。
ブロチゾラム錠0.25mg
熟睡できるようにする、寝つきをよくする薬
あまり効果を感じられず、飲むのをやめてしまいまいした。
ルネスタ3mg
熟睡できるようにする、寝つきをよくする薬
ブロチゾラムの代わりに処方されましたが、あまりしっくりこず、やめました。
ゾピクロン錠10mg
寝つきをよくする薬
あまり効果を感じれなかったので、やめました。
ツムラ酸棗仁湯エキス顆粒(漢方)
寝つきをよくする薬(一日一回就寝前)
漢方なので安心して飲んでいましたが効果があったのかは謎です。
結局、西洋の薬しかり、眠れないときは眠れません。
薬物治療を振り返って思うこと
正直、「向精神薬を飲んで抑うつ症状が安定した」というような実感はあまりないです。悪心や眠気などの副作用がひどく、それによって活動量が下がったように思うからです。便秘がちにもなりましたし、体重変動もすごくて服用開始してマイナス5kg⇒薬変えてプラス10kgと、短期間で大きく変わりました。(その後栄養学を学んで通常体重に戻りました)
向精神薬は効き目が表れるまでに時間がかかるといういわれていますので、自分の判断ですぐにやめてしまうのはあまりよくないのかなと思います。ただ、副作用が辛くて副作用をおさえる薬を追加されだすようなら向精神薬の種類を変えることを検討してもいいと思います。たとえ多くの人にとって副作用がない薬でも、あなたにとって合わない薬はあります。
今はいい時代になったのでネットをつかって薬の効果や副作用・禁忌事項について調べられます。効き目や副作用について、疑問に感じることがあったら、主治医に積極的に相談してみましょう。自分なりに調べて状況を伝える姿勢が大切だと思います。
私は薬物療法だけではなく心理療法も行うことをおすすめします。
大人になるまで人に危害を与えることなく通常の生活を過ごしてきて、ストレスが積み重なって鬱になってしまった人に対しては、薬は根本的解決にならないと思います。実際、主治医も「人には自然治癒力があるので、時間が経過すれば徐々に症状はよくなっていく」と発言していました。わたし自身は、自殺念慮が大きくなったために服薬を開始し、断言はしづらいのですが薬を飲んでいたおかげで落ち込みをギリギリのところで引き留めてくれていたようにも感じます。(プラシーボ効果であった可能性は否定できません。皮肉にも副作用が辛かったために思い切った行動ができなくなっていたから、今生きているのかもしれません。)抑うつ症状安定に関しては、薬はあくまで補助的役割であると考えます。根本的解決のためには、認知行動療法による感情整理の方法を習得することや、心理カウンセラーとの対話による自己承認力の向上、成功体験の積み重ね、自分なりの「軸」を持って生きていくことなどがあなたを押し上げてくれるように思います。
もっと言うなら、服薬を始める前に自然治癒力向上のための生活習慣改善(十分な睡眠時間、適度な運動、栄養バランス等)をためしてみるのがいいでしょう。
体や脳の栄養不足によってネガティブな考えしかできなくなってしまっているかもしれません。(うつになってしまうとそんなことを考える気力がでなくなってしまうのはわかるのですが…。)いずれ薬から卒業することを考え、今からすこしずつ自然治癒力をアップさせるための基礎体力づくりについて考えていけると良いのかもしれません。
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