うつかて -うつを糧にいきていく-

栄養士による健康のためのストレスセルフケア

【うつ病体験談#2】抗うつ薬の断薬。後遺症はあったか?(メンタル、記憶力、食欲の変化など)

概要

2年ほど向精神薬を服薬し続けて症状が回復に向かい安定し始めた頃、断薬の話になりました。

症状の変化・副作用について、一例として参考になるところがあればと思い、記載します。

 

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これから断薬される方は漠然とした不安があると思いますが、この記事を読んでなんとなくでもイメージがわけばいいなと思います。
 

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断薬過程では離脱症状(悪心など)がでます。個人の体調・症状に合わせて行われます。医師による経過観察を受けつつ、すすめていきましょう。

 

 

抗うつ薬断薬 体験談

断薬スケジュール

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はじめの1~2週目で減薬(薬を半量)

→次の3~4週目は断薬(薬を飲まない)

 

断薬期間として決めた1か月間は離脱症状が出ることを想定し、予定を入れないようにしました。 

サインバルタを服薬し始めたときに副作用(悪心)がかなり強くでたので、予定はなるべく入れず余裕をもたせました。案の定、離脱症状として悪心が激しく、発声することも難しい状態になってしまいました。なるべく断薬に集中できる環境に整えるのがよろしいかと思います。

 

断薬期間として決めた1か月の間に離脱症状の悪心は消え、平常に戻れました。

 

離脱症状 

メンタル面

心細さのような不安定な感情を感じました。

鬱に近いメンタル状態になりました。幸い実家で過ごしていたため、一緒の部屋で寝たりして心細さをごまかしごまかし過ごすことができました。情動失禁(勝手に涙が出てくる)は時にありましたが、断薬する前もあった症状なので、変化ではないです。

 

脳の機能(集中力、記憶力など)

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悪心が強く、ほとんど作業はできませんでした。言葉を発することすら難しかったです。

ほとんど横になって寝ていました。ぼーっとYouTubeなどの動画を見る元気はありました。

調子がいいときはゆっくりと本を読んだり問題を解いたりすることができましたが、簡単でイラストの多いやさしい内容に限ります。

1日中寝ていると腰が痛くなってきたり、悪夢を見たりしてだんだん辛くなってくるので、たまに陽の光を浴びに5分程度外に出て散歩をしたりしました。

 

食欲

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食欲が落ちました。香辛料には過敏になってしまい、カレーは甘口しか食べられませんでした。食欲は落ちましたが、食べないと力が出ないので、どうにか栄養のあるものと思い、コーンフレークをよく食べていました。バランス栄養食品のようなものでもいいかもしれません。なにか、無理なく食べられるもので栄養がとれる食事がみつかると安心できると思います。

<食べられたもの>

・コーンフレーク

・魚の煮つけ

・サラダ

・ごはん (白米)

 

後遺症はあったか?断薬後のようす

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断薬して2週間後から栄養士養成学校に通学し始めました。

(主治医の先生からは学校生活に慣れてから断薬するよう勧められていたのですが、副作用にこりごりだったので始業式に間に合うようしました)

以降、断薬後の様子を学生生活を振り返りつつ書いていきます。

 

 <よければ合わせてどうぞ!>

 

後遺症チェック

メンタル面

最初の方は情動失禁(涙がボロボロ出る)がありました。

ただ、心理カウンセラーの方の前だけだったので、最低限の「時と場所」は選べたように思います。

通学先では心理カウンセラーの方が週に何度かいらっしゃったので、ストレスがたまって気持ちに余裕がなくなってきたときには話を聞いていただいて、感情を整理していました。涙がでたのははじめの3か月間の間の数回だけで、以降は情動失禁はおこりませんでした。次第に慣れていったのだと思います。

カウンセリングでは、「はじめの数か月間は、いい成績をとることよりも慣れることから始めましょう」という言葉と「不安なことは、たいていのことは誰かに聞くことで解決します」という言葉をもらいました。

通学初期は「今日言葉を発したの挨拶だけだった…!!」という日もありましたが、なるべく会話をして雰囲気に慣れていくようにしました。徐々に学友が増えて居心地はよくなっていきました。

それでも調理実習等グループワークでは自分のペースが崩れてしまい、うまくいかないときもありました。どうしても感情が整理しきれなかったときにはカウンセラーの方へ相談したりしました。

履修科目の相談や学期末テスト対策など具体的なことは学友、先輩(紹介していただいた)、学生課の方へ相談するようにしていました。おかげで、漠然とした不安に飲み込まれるようなことはなく適切に対処して学生生活を過ごせたように思います。

 

向精神薬を服薬し始めた頃から、車の走行音などの騒音に対してパニックになってしまう「音過敏」をかかえていたのですが、断薬後は落ち着きました。(おそらくサインバルタによって助長されていた症状だったのでしょう)

 

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在学2年目に軽いうつ状態に。

後ほど触れますが、いろいろ生き方についてはまだバランス感覚がないようです。気を張って活動しすぎて疲れてしまうのか、完璧主義なところが抜けきらなくて自分を追い詰めてしまうのか、パンパンに膨らんだ風船が何かをきっかけに「プシュー」と空気がぬけてそのまま鬱になっている気がします。生き方は簡単には変わらないんだなぁと痛感しました。もうすこしうまい生き方を模索しています。

 

脳の機能(集中力、記憶力など)

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脳が衰えていないかが、実は一番心配だった…!

 

脳の機能については、服薬前と概ね同等に戻ったように思います。

 

・集中力

はじめは90分授業中で座り続けることが苦痛で仕方なかったのですが、学友と笑い話にして乗り越えました。次第に慣れていきました。

時間制限付きの調理課題も練習を重ねてクリアできたので、手先の操作性の問題もないと思います。タイピングゲームでも自己最高記録を更新できました。(笑)


www.youtube.com

 

・論理的思考力

課題レポートで「良」程度の成績はとれました。在学中に賞をいただけました。拙いながらも人に伝わる説明ができたのかと思います。

 

・記憶力

成績GPAは平均3.2でした。(期末テストの正答率80%以上程度)私個人としては、満足の結果です。

 

・継続力

最低限のことは押さえてこなすことはできました。でも活動量は不安定で、躁のように思いっきり精力的に行動する時と、疲れてうつ状態を行き来する生き方はまだ健在のようです。

授業で課された宿題は期限内に毎回提出できていました。授業は一回お休みしましたがそれ以外すべて出席し、無事栄養士免許を取得して卒業することができました。これからうまく付き合っていきたいと思います。

 

・協調性

はじめは我が強いままだったので雲行きが怪しいところがありましたが、徐々にバランス感覚を覚えて、周りと協力しながら行動することもできるようになりました。私のような人間でも学友は受け入れてくれました。(大感謝…!!!)

 

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食欲 

平常に戻りました。

双極性障害Ⅱ型発症直前は過食と拒食どちらもしていたのですが、元に戻りました。(学校で出た課題に追われて夜遅くなり、朝起きれなくて朝食欠食してしまうということはたまにありました…。規則正しく食べたいけど、なかなか難しいです。)

 

断薬に際する注意点

減薬中は予定は入れないように

断薬・減薬に際しては離脱症状がでます。

予定はなるべく入れない方がいいと思います。

もし社会人の方であれば、休暇を取るか、仕事が落ち着いてる時期、自分でコントロールしやすい内容を担当しているときか、相談できれば上司にお願いして軽めの仕事にしてもらうなどして、断薬を始めるのがいいと思います。仕事終わりには予定を入れないようにして、体を休めるのがいいと思います。

もし学生でしたら、夏休みなど学期末テスト後の長期休暇のときに行うのがいいのではないでしょうか。主治医の先生とよく相談して計画してくださいね。

 

再燃予防のための策をたてる

 

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寛解しても、メンタル不調が全く無くなるわけではありません。

 

断薬後も、大なり小なり不調の波はやってきます。

発症したときと同じような生活をしていると、躁うつの症状を再燃させてしてしまう危険性があります。再燃してしまうと、以前より重い症状になってしまったり、何度も繰り返すようになってしまったりする可能性があります。断薬後もしばらくの間は、引き続き心理カウンセリングでサポートをしてもらうのがいいと思います。

  

うつは、「再発予防」が大事です。

定期的に「無理をしすぎていないか」振り返る必要があると思います。

 

断薬1年後に軽めのうつになった

学校に通い始めて1年間は前向きに活動できましたが、在学2年目に軽めのうつ症状になりました。発症した社会人時代のような絶望感とは違い、燃え尽き症候群のような虚無感でした。1年目に張り切りすぎた反動が出たのかもしれません。

幸い必修授業よりも選択授業が増えて余裕が出たため、服薬せずに学校には通い、栄養士の免許を取得して卒業することができました。

 

完璧主義の考えに支配されると、ひとつのミスも許せなくなったり、自分に厳しくなって苦しくなってしまいます。抑うつ症状の原因にもなりますので、定期的に認知行動療法をもとに、考えを見直してみるのがいいのかなと思います。

 

<認知行動療法についての本を紹介しています>

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さいごに 

実は、服薬前は「向精神薬の服薬によって性格が変わってしまうのではないか」「自分の人格がなくなってしまうんではないか」と心配していました。それでも、今こうして寛解して、サイトをつくって情報発信をできるようになりました。少し安心しています。

 

発症当時は、シフト出勤、夜間立ち会い、残業続き、上司との折り合いも悪く、ストレスと疲労がたまっていました。会社付き合いの飲み会も少なくなく、疲弊した体にアルコール。次第に朝は起きれなく朝食を抜いて出社したり、ストレスからか食が進まなくなっていきました。

 

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そういった不規則な生活がうつ発症原因だと思い、今後は同じことを繰り返さないように「予防医学」として、生命の源である食について、つまり栄養学を学ぼうと思いました。

「食事は一生付き合う、体を構成する命の源」なので、栄養学を学べたことはいい経験だったと思っています。

 

発信した情報によって、すこしでも誰かの役に立つことができればうれしいです。

サイトでは、自分が試してみてよかったものや、納得のいった考え方などをご紹介しています。 もしよければ他のページもご覧になっていってください。

 

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。

あなたの未来がすこしでも明るくなりますように。

 

 

<治療体験談のまとめ>
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<栄養学について>

 

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