うつかて -うつを糧にいきていく-

栄養士による健康のためのストレスセルフケア

【ビタミンD】はたらきについて。骨太、メンタルヘルス向上効果も?

栄養学校で習ったことや自分で調べたことをメモがわりに書いているので、細かかったり読みづらいかもしれませんが、ご容赦ください。より良いコンテンツになるよう、随時加筆修正していきます。

 

ビタミンDについて

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ビタミンDの特徴

ビタミンDは脂溶性ビタミンです。(油に溶ける種類のビタミン)

ビタミンDにはビタミンD₂とビタミンD₃があります。(※昔にビタミンD₁と名付けられた物質は誤りだったため、現在は欠番になっている)

ビタミンD₂(エルゴカルシフェロール)は主に植物性食品(きのこなど)に含まれ、ビタミンD₃(コレカルシフェロール)は主に動物性食品(肝臓など)に含まれます。

 

ビタミンDと日光浴の関係

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人間は、皮膚に「プロビタミンD₃」と呼ばれるビタミンを持っています。(プロとは、英語の接頭辞である「pro:前に」という意味)

プロビタミンD₃は紫外線にあたると、ビタミンD₃に変化します。つまり日光浴をすることで、ビタミンDをつくることができます。

※紫外線のなかでも弱い種類の紫外線が必要であり、ガラスを通した光ではビタミンDはつくれない。また、日焼け止めクリームをぬった場合も同様につくれない。網戸はOK。

※日照量が多くてもビタミンDが過剰につくられることはなく、適量になればそれ以上は変化しないよう制御がはたらく。しかし昨今のオゾン層破壊により、日照量が多すぎると皮膚がんの原因になる可能性がある。生活を振り返り、必要に応じて日焼け止めなどの対策は必要。美容的に比較的気にならない手のひらなどで日光浴をするといいだろう。

 

ビタミンDのはたらき

ビタミンDは吸収される過程で、肝臓と腎臓でそれぞれで水酸化され活性化ビタミンDになります。(この形になってはじめてはたらくようになる)
活性化ビタミンDは、小腸でカルシウム、リンの吸収・促進をし、カルシウム結合たんぱく質の合成を促します。

そのため、ビタミンDが欠乏すると、幼児では「くる病」、成人では「骨軟化症」を発症します。また過剰に摂取すると、「高カルシウム血症」や腎臓にカルシウム沈着がおきて「腎障害」になることもあります。

 

ビタミンDとうつの関係

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冬季うつはビタミンDの摂取不足からくるのではないかという説があります。

たしかに冬場は日の出ている時間が少なく、紫外線を浴びる機会も減ります。

(寒さによるストレスも関係が大いにありそうだが。朝布団から出るのつらいですよね…)

外国機関の話で、日本人にあてはまるかは微妙だが、ビタミンD摂取によりうつが減ったというデータもある。これがあきらかな説だとはいえないが、ひとつの説として興味深いものがある。冬は特に積極的にビタミンDを接種するようにこころがけてもいいかもしれない。

 

どれくらい必要?

日本人の食事摂取基準

日本人の食事摂取基準(2020年版)によると、一日当たりの目安量8.5㎍(18歳以上の男女)としています。耐用上限量は100㎍です。(耐用上限量:過剰の目安)

※日本人のビタミンD欠乏回避のための実験データが今現在十分といえず、アメリカなど海外のデータを参考とし、日照によるビタミンD産生も推奨した上での数値である。
※紫外線に浴びる時間は、天候や地域によっても変動がある。沖縄と北海道ではビタミンDをつくるのに必要となる日照時間に差がある。また、あまり外にでない人や、紫外線ガードを徹底している方は(あくまで、日照曝露は推奨されているが)目安量よりはやや多めの摂取がいいだろう。

ちなみに、高齢者向けの骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015 年度版(日本骨粗鬆症学会)では、10〜20 ㎍/日の摂取を推奨している。

※食事摂取基準2015年版では5.5㎍だったのが、2020年版では8.5㎍に増加した。背景には、屋外で活動する時間の減少、オゾン層破壊からくる紫外線対策(日焼け止め対策)などがある)による皮膚でのビタミンD産生量低下がある。

 

ビタミンDが多く含まれる食材

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・サケ、サバ

・きのこ(特にまいたけに多い)

  

現実的に、継続的して摂取できる量で考えると以下のようになります。

・サケ30g(約1/3枚)…9.6㎍

・サバの水煮缶50g(約1/4個)…5.5㎍

・生まいたけ30g…1.5㎍

 

さけには、アスタキサンチンというサーモンピンクの色素のもとにもなっている抗酸化作用の強いファイトケミカルが含まれているので、特におすすめ。

サバには、DHA・EPAが豊富に含まれるので、おすすめ。

まいたけ食物繊維が含まれるので、おすすめです。

(「舞茸」は、見つけたときに嬉しくて踊りだして舞ったことからその名がつけられたとか。)

 

 

<参考文献>

・『日本人の食事摂取基準(2020年)』厚生労働省

・『こころに効く精神栄養学』功刀浩