うつかて -うつを糧にいきていく-

栄養士による健康のためのストレスセルフケア

うつ病になるくらいなら「仕事を辞めていい」は本当か?

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頑張っても期待する結果にならなかったり

ハラスメントでメンタル削られたり

締め切りに追われて睡眠不足だったり

満員電車で痴漢されたり不快な思いをしたり

未来を信じられなくなったり

過去の自分に後悔したり

  

いま努力してる先に希望がみえなくなるとうつになる

いまの努力が無意味に見えてくるから

 

「うつになるくらいなら、仕事を辞めていい。」と良く耳にします。この言葉の意味について、実際にうつになった自分の経験から考えたことを書いていきます。

うつになるくらいなら「仕事を辞めていい」は本当か?

次に何をするか考える

「やらない」と決めて辞めることは簡単だけど、やらないなら「じゃあ変わりに何をしようか?」を考える。

「やらない」で終わってしまうと、「私はクリアできなかった」というネガティブな自己イメージになってしまうし、そこでストップしてしまう。更に、なにもしない状態は「誰の役にも立っていない」と感じて精神衛生上よくない。自分にはなにができそうかを考えることも同じくらい大事だと思う。

「今の私には合わなかったな」というイメージにかえて、「じゃあ他に合いそうなものはこれかな?」と視点を移してみるのがいいだろう。仕事内容が合わないのか、周りの環境が合わないのか、などと問題を分解して詳細を考えてもいい。

自分に合いそうなものが思い浮かばない場合は、きっと今まで生きてきた中で周りの人がしてきた選択肢を思い浮かべているからもう少し視野を広げてみる。あなたに合った選択肢は「皆のあたりまえ」の外にあることもある。世間の常識に縛られずに、柔軟な発想で探してみてほしい。

 

世間の常識の範囲内で未来を探そうとしても希望が持てなくなってしまう程なら、一度外れてみてもいい。

 

早めの対策をうつ

次からはできるだけ大丈夫なうちに対策をうつ。「まだギリギリ頑張れる」「責任を持たないと」という気持ちはいったん置いて、次からは可能な限り動けるうちに対策して行動にうつしていこう。自分から動くこと。周りは相当な事でない限り変化に気づけない。うつ病まで悪化させてしまうとほぼ動けなくなるので、そうなる前に対策を始める、という行動を習慣づけられるよう頑張ろう。「ちょっとヤバいかもしれない」が合図。

 

無駄はない

仕事をやめたとしても、今までの自分の努力が無駄になったわけではないという考えも大事。努力する上で得た知見があるはずだし、その経験があったからこそ生きるものが将来あるはずだから意味のない行動ではない。そう思えなくても、経験者としてエピソードを話せるし、その職業の人との会話のネタができる。「自分には合わなかった」ということがわかっただけでもいいじゃないか。まったく経験せずに「あの職業はわたしに合っているのだろうか」と、あり得無い可能性を妄想して後悔し続けるより、現実を見た分踏ん切りがつく。意味のある行動だ。

 

もちろん時が巡り状況が変わってから、また仕切り直して挑戦してもいい。社会の時代背景によってニーズの変化がおこり過去失敗で終わったものが成功することもある。同じモノであってもタイミング次第で成功失敗が変わるのだ。自分の努力だけではなく、周りの環境によって成果がかわることもあるという考えを片隅に置いておこう。無意味ではないかもしれない。

 

マイペースにいこう

人と比べて落ち込まなくていい。うつになりかけのときは、自分にプレッシャーをかけすぎているのではないかと疑ってみよう。過度に期待しすぎた未来を描いていないかチェックする。

長期的にみて超一流になることを夢見て思い描くことはいいが、今すぐに結果を求めていないだろうか?最速タイムで駆け上がれる人もいるが、すぐには結果はあらわれず時間をかけて大きくなる大器晩成型の人もいる。すこし冷静に冷めた視点をもって夢を小分けに分解してみよう。全員が最速ということはあり得ない。参考にするのはいいが、それが全てだと思わずにマイペースにすこしずつ段階をおって進んでいけばいい。

 

自分を追い込みすぎるとなにも行動できなくなってしまう。プレッシャーは、程度が大事なのだ。 

 

あるものを意識する

自分の持っているものに注目していく。足りないものばかりを見るのではなく、自分が持っているものを探してみよう。人間ない物ねだりをする傾向があるが、実は既に持っているものに気づける力の方が大事だったりする。

 

今持っているものを自分では評価できなくても、外にはそれを認めて良いものだと思ってくれる人もいる。

 

自分の考えが真実

ネットやテレビなどのメディアの情報は「正しい」わけではなく、そういう考えの人もいるんだなというもの。検索上位だから、支持する人が多いからといってその考えが必ずしも正しいわけではない。あなたが直感的にどう感じ、何を考えるか?ということが大切であり、それがあなたの生きるうえでの真実である。

 

人は自分に似た状況の人の考えを自分の意見にも採用したがるが、それで幸せになるだろうか?場合によるだろう。考えと合わないなら捨てていいし、無理して合わせなくてもあなたの価値は下がらない。メディアに触れていなければその考え方を知らなかったわけだから、その状態に戻るだけである。 

自分の選択の責任は自分でとる姿勢が大事なので、「こういう主張に多くの人が賛同しているから」「業界の権威の先生がこう言っているから」というのが動機の主な理由であれば、見直したほうがいい。決断を遅らせたほうがいい。自分の考えを主軸にしないと振り回されて疲弊していく人生になる。

 

まとめ

今回は、経済的な面ではなくどう生きるかという面を重視して考えてみた。経済面も大事だが、それと同じくらい何をして生きていくかが大事であると考える。どうしても合わないモノを続けているとストレスで寿命を縮めることになったり、自暴自棄になりうるからだ。絶望の末自ら命を絶つこと然り。

うつ病になってしまうと体が思うように動かなくなる上に「重要な決断はしない」ということが大事だとされるため、未病のうちに手を打つことが大事だと考える。「ちょっとヤバいかもしれない」という感覚に鋭く気付き、先手を打っていくことが習慣づけば最悪な状態を防げる可能性が高くなる。「根性・忍耐・努力不足」という価値観を上塗りして警告を無視しないように気を付けていきたい。

 

取り返しのつかなくなる前に異変に気付き先手を打ち始める。生きるうえでの危機管理戦略だ。