情報社会と呼ばれる今の時代、SNSやネットの発達により便利な世の中になりましたが、反面、今まで人類歴史で経験の無いほどの大量の情報に触れ、複雑化する人間関係や効率を求められる仕事の中で、息苦しさやストレスを感じている方もいらっしゃると思います。
日々が辛いと思われている方へ、まずはメンタルヘルスについて知り、セルフケアについて学びましょう。このコンテンツがあなたの暮らしの一助となればと思います。
メンタルヘルスの基礎知識
ストレスについて
「ストレス」には、ストレッサー(ストレス要因)と、それによるストレス反応の2種類があります。
ストレッサー
ストレッサーとは、ストレスを与えるものを指します。
(例)
・長時間労働
・人間関係
・プレゼンテーション発表
・家族との別離
・進学
・結婚
・引っ越し
一見、喜ばしい環境の変化であってもストレッサーになることがあります。
5月病やマリッジブルーという言葉があるように、環境の変化に伴う精神的な不調があらわれることがありますので注意が必要です。
ストレス反応
ストレス反応は、ストレッサーによる精神・行動面の変化のことをいいます。
(例)
・不安
・抑うつ(気分の落ち込みや興味・関心の低下)
・イライラ
・不眠
・疲労感
・食欲不振
・飲酒、喫煙量の増加
・不注意によるミス増加
(例)
・人間関係に疲れて、ゆううつな気分になった。
・労働時間の増加によるストレスを発散するために、飲酒量が増加した。
ストレス反応はなかなか自分で気づきにくいと言われています。人から指摘されてはじめて気づくことが多いようです。
心身症
心身症とは、ストレスが続いたことがことにより発症した身体疾患のことをいいます。
具体的には、胃潰瘍、高血圧、冠動脈疾患、過敏性腸症候群、緊張型頭痛などが挙げられます。
過敏性腸症候群
消化器官の検査をしても異常が認められないが、ストレスが要因となり便秘や下痢がおこる疾患をいいます。通勤・登校・会議前にお腹が緩くなったり痛くなったりする場合があります。長期化する前に専門の医師に相談することが大切です。
緊張型頭痛
緊張型頭痛では、頭がしめつけられるような、重苦しいような頭痛がおこることが特徴的です。同じ姿勢を取り続けることや、精神的なストレスが原因といわれています。片頭痛とは違い、入浴や軽い運動、マッサージをすることで改善するといわれています。
メンタル疾患
メンタル疾患の種類
メンタル疾患には、次のようなものが挙げられます。
依存症
うつ病
解離性障害
強迫性障害
睡眠障害
摂食障害
双極性障害(躁うつ病)
適応障害
統合失調症
認知症
パーソナリティー障害
発達障害
パニック障害・不安障害
PTSD
性同一性障害
てんかん
(厚生労働省「こころの病気を知る」より引用)
メンタル疾患といっても、背景に違う病気が隠されている場合もあります。自己判断はせずに、不調が続く場合は医師による診断をうけましょう。
労働者に見られる主なメンタル疾患
労働者に見られる主なメンタル疾患は、以下のようなものがあります。
依存症
アルコール、薬物、ギャンブル、インターネットゲームなどに夢中になり、社会生活が困難になります。
適応障害
環境の変化に適応できずに抑うつのような症状がでます。
うつ病
抑うつ状態などの気分のふさぎ込みが強い症状がでます。
双極性障害(躁うつ病)
抑うつ状態と躁状態を繰り返す症状がでます。躁状態では高額商品の衝動買いや無茶で危険な行動をすることがあります。
睡眠障害
入眠困難、中途覚醒、概日リズム睡眠障害群のような症状がでます。
摂食障害
拒食や過食など、極端な食生活を送ることがあります。
パニック障害・不安障害
過呼吸、めまい、頭痛などの症状がでます。
心身症の症状にご自分で気づき、セルフケアを行うことでメンタル疾患への悪化を防ぐことができます。ストレスは一般的に、環境の変化により発生します。一過性の症状として心身症が現れて、すぐに回復することもありますが、症状が2週間以上続くようでしたら専門家の心理カウンセラーや産業医、地域窓口へご相談されることをおすすめいたします。
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