うつ病休職中に読んで良かった本10選
うつ病の時はあまり頭がはたらかなくて活字が読みづらいかもしれませんが、まずは興味の持った箇所を読み進めてみる、くらいの気持ちでもいいと思います。
本を読むことで「新たな気づき」を得ることもありますし、考えが行き詰まったときに読んでみるのもいいかもしれません。
今回ご紹介するのは、メンタルヘルス系が多いです。
心がスッと軽くなる 認知行動療法ノート ―自分でできる27のプチレッスン―
認知行動療法の講義、実践方法が紹介されています。
文字が大き目で、親しみやすいイラストも豊富で直感的に理解できます。
認知行動療法について色々なワークが紹介されていますので、自分にとって取り組みやすい方法は何なのかを探す入門書として、いいのではないかと思います。
自分でできる対人関係療法
なかなか自分の気持ちを言葉にあらわせなくて苦手だ、という人に向けたアサーション術についての本です。ストレスは人間関係によるものが大きな割合を占める、とも言いますし、自分の生きやすい環境づくりのために「程よく自分を主張する」姿勢を学ぶこともいいと思います。
こころに効く精神栄養学
「栄養不足によって、うつ病のような症状がでる」と知るきっかけになった本です。短い文章で章分けされているので、読み進めやすいです。積極的にとったほうがいい栄養素の紹介もされています。栄養に関する豆知識も増えると思います。
山中伸弥先生に、人生とiPS細胞について聞いてみた
ノーベル生理学・医学賞を受賞された今や知らない人はいないであろう山中伸弥先生ですが、受賞までの道のりは平坦なものではなかったようです。うつ病ような症状になってしまったときもあったと書かれています。そのような中でも、挑戦し続けて思考錯誤し、ノーベル賞受賞という結果を得られたという受賞までの過程が書かれています。
たとえうつ病になっても、それをバネにより大きく成長する、PTSGを体現された姿には勇気をもらえます。希望と刺激をくれる、そんな本です。
メンタルヘルス・マネジメント検定試験公式テキスト III種 セルフケアコース
メンタルの基本である「セルフケア」の基本的な考え方が書かれています。心身症といって、ストレスが原因で発症するのはメンタル不調だけでなく身体の痛みもあるなど、具体例を含みながら紹介されています。ストレスに対する姿勢などの基本が学べます。
大阪商工会議所が主催している資格試験もあるので、定着度を測ることもできますよ。Ⅱ種では、企業ではたらく方向けに管理者としての同僚への対応方法なども学ぶこともできます。
心の休ませ方―「つらい時」をやり過ごす心理学
なんだかモヤモヤして落ち込んでいるんだけど正体がわからない…というときにおすすめです。ブックオフでたまたま100円で売っていたので買ったのですが、夜に涙でボロボロになりながら読みました。自分の中の言葉としてまとまらない「無念さ」を文字におこして整理してくれます。
女性のうつ病がわかる本―女性のライフサイクルにあわせてうつの悩み・症状を解決
ライフステージごとに、ホルモンバランスの変化やライフイベントによる体調不良などおこりやすいときってあるんだなと思える本です。具体的なエピソードもいくつも紹介されていて、自分に似たケースも見つかりました。「自分ひとりだけではないんだ」と、こころ強さを感じることができます。
ビジネススクールで教える メンタルヘルスマネジメント入門―適応アプローチで個人と組織の活力を引き出す
休職中の方向けです。復職に関することや、職場の人間関係に関する内容が書かれています。ストレス診断や性格傾向をチェックできるページもありますので、例えば仕事をためこみやすいとか、ご自身の陥りやすい状況をチェックするにもいいと思います。
うつ病の再発・再燃を防ぐためのステップガイド
「うつ病が再発すると、今より症状が悪化する」と主治医から聞いたので、再発防止にはどういう視点が必要なんだろうかと思い、手にとった本です。けっこう分厚くボリューミーです。
うつ病の回復・再燃について、概要が整理されていると思います。全てを読み込むには時間がかかり大変だと思うので、大切なポイントを拾うための本として使用するのがいいと思います。
読むことが辛ければ、寛解後に時間をとって読むこともオススメです。各章の最後にワークシートがついていて、自分がどう感じたか・どう行動していきたいかを要所要所で整理ができるところが好きなポイントです。
どんな今後を過ごしていくかを考えるヒントがつまっている本です。
<文字量が多くても読める場合は、認知行動療法に関する以下の本もおすすめです。>
それでも人生にイエスと言う
(この本は、刺激が強い内容を含む本になりますので、読む人を選ぶと思います。)
アウシュビッツ収容所に収容されていた精神科医フランクル先生による本です。
想像を絶する過酷な状況でも、生きる希望を失わずに1日1日を過ごし、生きて帰還した後に出版した回顧録を含めた本です。一文字読み進めるたびに自分になにかを訴えられているような気持ちになります。
絶望の中でも人間としての尊厳を失わない力強さはただただ尊敬です。歴史を見つめるにもいいきっかけになる本でしょう。ショックで悪心がおこる場合は読むのを休んだりして無理のない範囲で読み進めるといいでしょう。(じつはわたしは寛解した今読み返しても、残忍さに胸焼けのような気持ちがします。でも、やはり劣悪環境下でも前を向き続けた姿に背中を押してもらえるのは間違いないのです。)
著者の別の本である『夜と霧』も読みました。『夜と霧』は文字が小さく書かれているので、うつ状態がひどい時は読みづらいかもしれません。『それでも人生にイエスと言う』を読んでみて、もっと深く知りたくなったら読んでみるのがいいと思います。
さいごに
本は、自分のペースで読み進めることができるので、ゆっくり進めても大丈夫です。
心にのこった言葉があればマークをつけたり自分の気持ちを書き込んだりして、後になって読み返したときに「こんなこと考えてたな」と振り返るのも楽しいです。
筆者の主張をうけて自分はどう考えるかひとつひとつ見つめながら進めていくと自己理解が進んでいけると思います。
自分の価値観を知るいいきっかけにもなりますね。
読書旅行でぜひ素敵な時間をお過ごしください。